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漫画

トクサツガガガ(1)〜(12)

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特オタ女の仲村さんを中心に、特撮もの(特に日曜朝のアレ)を中心として、本当ならば子どもの頃に卒業するはずのコンテンツを大人になっても愛しすぎるあまり大人の力を存分に駆使して大人気ない行動をとりまくるオタクあるあるを描いていく、笑って泣けてちょっと心に刺さるストーリー。

はじめはロンリー隠れオタクだった仲村さんだけれど、勇気を出した吉田さんとの出会いを皮切りにドルオタ、女児向けアニメを愛する大きいおともだち(男)など仲間が増えていく。

それはそれとして、戦隊モノから得た経験を元に実社会の困難に立ち向かっていくっていうのがもう大好き。ていうかわかる人生で大切なことは全て子ども向けフィクションから学んだ。

 

作中でも、仲村さんを特オタと知らず思いを寄せる小野田くんが「どうしたら仲村さんみたいに(他人に思いやりのある人に)なれますかね」と尋ねるのに、仲村さん答えて曰く、

 

 

立派な大人になろうとするんじゃなくて、子供の頃に(特撮から)習ったことを思い出すの。

 

大人になった時大事なことは、全部小さなうちに(特撮から)習うでしょ

 

ってね、ほら! 括弧内さえなければいい話!

 

作者さんはもともと「特撮モノみたいな内容の漫画」を企画していて担当さんの鶴の一声でこの「特撮モノが好きなオタクたちの漫画」という方向に方針転換したらしいですが(担当さんグッジョブ)、それだけあってというか、劇中に出てくる架空の特撮モノの設定やキャラデザが非常に秀逸です。獣将王とかリアルに観てみたいっす。ただ実際に再現しようとすると、予算の都合とか現実の都合とかで、衣装がもっとテッカテカの安っぽい感じになるんでしょうけれど…。

特撮ものっていわば、ドラマ仕立てのおもちゃのCMだと思うんですが、ただ出しただけではニーズがないおもちゃ群に、なんとかレンジャーとかなんとかライダーとか時風を取り込んだ色々なドラマを付与することで、ないはずのニーズを毎年生み出し続けてるのがすげえなあと思ってるわけで。(特撮の戦略には学ぶところが多いって前にけっこうえらいひとが真顔で言ってた) しかしそういう事情もあって大人からすると背後に色々な企業側事情があるのが隠しようもなく透けて見えるときがあって、そこへの容赦ないツッコミがとにかく面白いです。

上記特撮あるあるネタ以外にも、特撮ショー行ったり、洋画ネタがあったり、古い特撮ドラマについて語ってみたり、一般人をオタク沼に取り込む陰謀術数が張り巡らされていたり、なぜかアメリカのドラマシリーズにまで手を出してみたり、フィギュアの写真撮影にも手をだしてみたり、特オタだけでなくドルオタの闇についても語られたり、クソ映画上映会が開かれたりなど(全部架空の映画なんですがこの回めっちゃ好きw)、なかなか内容盛りだくさん。今年の特撮の内容大予想とか是非やりたい。なんというか頭からっぽにして読める、オタクって楽しそう!って思える漫画です。

 

なお、オタク観察系漫画に出てくるオタクが知力体力ありすぎだろ問題について

以上、面白くはあるんですが、仲村さんが美人だわスタイルいいわ料理上手だわの完璧超人なんだけども、その源泉がすべてオタク活動にあるというのはさすがに盛りすぎじゃなかろうかという気はしなくもな…いんですけど、ただ、現実にも、正直私から見たらフィクションとしか思えない精力(オタク活動限定)の持ち主というのは実際いるんですよね…

このひと

オタクってすごい。あとこわい。

 

今後の展開(希望)

個人的には、最近日曜朝の特撮枠の時間が変わったのが(某有名アニメと被せてきたで…!!)かなりの一大事だったので、仲村さんの世界にも是非この事件を導入していただいて、色々語っていただきたいな!と思います。

 

あとこの記事書いてて、「そういや自分が子どもの頃は特撮とか興味ないと思ってたけど、美少女仮面ポワトリンとか見てたな」と急に思い出したので、こういう女子向け特撮ネタもひろってくれると嬉しいなーと思います。小さい頃はかなり好きだったんですけど、いつの間にかシリーズ続編が作られなくなって、そしてかのセーラームーンを皮切りに美少女戦士ものは完全にアニメに完全に席巻されてしまい今では女児向け特撮とか全然見かけないですよね。思えばスケバン刑事とかもこの系譜か…この辺もぜひ仲村さんに語ってほしいでふ。

 

というわけで突然はじまる、私の思い出の女児向け特撮コーナー(軽く語るだけのつもりが、調べてたら懐かしくなって全部はりたくなった)

美少女仮面ポワトリン

調べてみたらウィザードと共演しててびっくり。

 

不思議少女ナイルなトトメス

ナイルなトトメスで、「パピルス」「スカラベ」という言葉を覚えた(なお人生には特に役に立っていない) サビの入りのところの呪文みたいな歌詞が超好きだった思い出…

 

あとこのEDめっちゃ好きだった…!!

 

有言実行シスターズ シュシュトリアン

有言実行という言葉はシュシュトリアンで(以下略)

 

魔法少女ちゅうかなぱいぱい 魔法少女ちゅうかないぱねま

めずらしく同じモチーフの作品が続いたという記憶があったので、それほど人気だったのかなーと思ってたんですが、以下の動画みたら全然ちがいました。そんな事情があったんかい。

 

お母さんとの妥協案としてどうよ

仲村さんの楽しいオタクライフの唯一の懸念事項が、小さいころからお母さんからに特撮を禁止されいて、今でも隠してる(12巻がドキドキの引きだった)ということなわけですけど。

お母さんは「特撮」というより「男の子が見るようなもの」が嫌いだったふしがあるので、こういう女児向けものだったら行けたのでは?!!

 

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