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実用書

ヒトは「いじめ」をやめられない

投稿日:2017年12月28日 更新日:

表紙で脳内ホルモンを押しているのでいじめをしている時にどういう脳内ホルモンが出ているのか計測でもしたのかなと思いましたがそういうわけではなさそうです。統計などの科学的根拠は提示されていないのでよくよく考えればただのコラムなんですが、表紙をよーく読んでみると「脳科学から解明」じゃなく「脳科学から考える」になっているので、ギリギリ嘘はついていないわけですね。やるな。

そんなわけで脳内ホルモンはどちらかというとおまけで「いじめをすることの社会的生物学的合理性が過去にはあったのだろう」「しかし学校ではそれはよくないことになる」という観点からいじめについて語っていて、なかなかためになる内容でした。

ただ、いじめられた側の対応策として「学校に行かない」などを提案しているのはいかがなものか。いえ、別にいかなくてもいいとは思うんですけど、いかないことで、その子がなにか余計な苦労をかかえこまないといけなくなるのなら、それはよくないよなあと。単に学歴だけの話なら高卒認定試験を受ければいいじゃんて話もありますけど、だったらそもそも学校ってなんであるのよって話で。メリットがあるからあるわけでしょ? だったら、いじめられてる側じゃなく、いじめてる側を隔離したほうがいいんじゃない?って思うわけです。ましてや「男の子はホルモンバランス上他人に対し攻撃的になる時期がある」って言ってて、ホルモンの出方には個人差があるので、それって「いじめをしやすい子がいる」ってことですよね?って。まあ、こういうの制度化すると「あいつにいじめられた」って言われると身に覚えがなくて学校に行けなくなってしまうという、先に被害者ぶった者が勝つというディストピアができてしまうので、本気で推奨しているわけではないです、はい。

とはいえ「いじめがあるのは仕方がない。必然的に起こってしまうもの」という前提でいじめ問題に対処すべきというのはすごく賛成。学校では「いじめはいけません」「みんな仲良く」とか言ってますが、大人の社会でもいじめはあるし人の好き嫌い得意苦手はあるわけで、それを子供だけが全員お互い聖人君子のようにふるまえってそりゃあもう無理がありますよね。

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