お金は犬のようなものだ。
恐れて放置すれば噛み付いてくるが、大事に面倒みてやれば人間のために働いてくれる……
という意味でこのタイトルなのかと思ったら、
マネーという名前の犬が本当に出てきたでござる。
そのマネーという名前の犬が、主人公のキーラにお金についての諸々を教えてくれる話。最後は株式とか投資信託が云々というところにたどりつきその辺から真面目に読んでないですが、途中までは面白かったです。こういうのって基本は進研ゼミメソッドというか日ペンの美子ちゃんメソッドというか。悩み→天啓(突然の解決方法の提示)→やってみる→問題の解決→さらなる報酬の取得という、決まり切った展開をお題を変えて繰り返しているだけだってわかっているのになんかついつい読んじゃう。くそっ!
言っている内容的には、まあ、題材的にも金持ち父さん貧乏父さん系↓
ではあるんだけども、金持ち父さん貧乏父さんが著者の自伝風で、金持ち父さんの話を聞くなり色々悟ってアグレッシブに動くのに対し、マネーの犬の主人公であるキーラはマインドセットの切り替えから指南をうける感じ。「お金を得ること」を「楽しく人生を生きること」と読みかえればけっこう役にたつというかさほどお金の話ばかりとも言えないんだけど、最後は結局株とか投資信託の話題になるのがなんとも…。
ちなみに個人的にはお金は大事だと思っているし株にも投資信託にも否定的な感情は抱いていない。というかぶっちゃけほんの少しだけ手を出したことがあるんだけど、すぐに手を引いた。なぜなら、私は、お金が増えるか減るかを眺めているのがまったく楽しくなかったから。この本でもまさに書いてあるとおり、仕事にするのなら自分がやっていて楽しいこと、お金をもらわなくてもやるだろうということをお金をもらってやるのがいいのであって、自分のお金の上下にもさほど興味はなく(預けた翌日に100倍になったとかだったらさすがに目の色変わったかもしれないけども)、給料払うから株価の上下眺めてくれって言われてもその仕事長続きしないわけで、当然そんなことを楽しいと思ってはやれないのでした…。
そんなわけで途中までは面白かった。だけどこういうお金の本というのは結局のところ、お金が好きだという本を書くくらいにお金が好きな人が書いているので、お金だけの世界で話がまわる株式の話が優遇されるのも自然な流れという気はします。ちなみに金持ち父さんのほうは株式プラス土地でしたね。
ちなみにちょいちょい出てくる犬の描写とか心の交流なんかがなかなかキュンと来ました。完全に個人的な意見ですが、猫好きは浪費家で犬好きは倹約家というイメージがあるのだけど、もしもマネーという名前なのが犬ではなく猫だったらどんな話になるのかな。
と書いてふと思い浮かんだのは、我輩は猫である、だったんですけれども
表紙のカラーがそっくりΣ(・д・ )