3人の女主人公がそれぞれのダメ恋について語り合う形式の人気シリーズ。いや本当に人気かどうか知りませんけど個人的にはもはや聖書(バイブル)。会う人ごとに薦めている。こんな少女漫画が欲しかった…! ていうか昔の自分に読ませてやりたい。いっそ国語の教科書に採用してほしい。
3人のなかで特に好きなのが1巻表紙でもセンターを飾られているこのお方
3人のなかで多分一番ひどい目にあっているけれど、多分一番リアルでもある(涙)。
現実だったらもやもやしながらもうっかり受け入れちゃいそうなところをズバズバ切っていくところが最高に好きなんですが、彼女自身は社会的にも家庭的にもものすごくハイスペックなのになんでこんな男にひっかかり続けているのか。でも思えば知り合いにもけっこういました、ハイスペックなダメ男好き。
ともあれ、特にすごいのが諒くん。
はじめのうちは、
- 二人で旅行に行くのに運転を彼女にだけ任せた挙句自分は座ったままお茶を淹れることを要求したり
- 女が仕事を専業主婦になりたがるのは痛烈に批判するくせに自分が仕事をやめて専業主夫になるのはアリのダブスタ野郎だったり
- 実家住まいだったのに会社に近いからと彼女の家に転がり込んだはいいが生活費は全然ださなかったり
- 彼女の料理にケチをつけたあげく、いきなり会社の同僚を連れてきて彼女に食事を作らせそれを同僚にまで批判させようとしたり
- その彼女の料理に対する文句がむしろ本人の無知と味オンチを露呈していて逆ギレしたり
- 自分が作ったクソ不味い料理を気を使って食べる彼女に対し、自分はそれを食べずその料理がマズくなったのは彼女が悪い言わんばかりの発言をしたり
- 部屋を片付けない彼氏についに彼女がブチ切れ追い出されると、彼女に対するお詫びの気持ちとして結婚を前提とした同棲を申し込んだり
ってなくらいだったんですけど。
いや、これでも十分ダメなレベルですけど。
後々事態はさらに悪化します。
- 結局同棲をはじめるも家事は一切やらず
- しかし働いている彼女に対し専業主婦の自分の母と同レベルの家事を要求し
- いっぽうで「自分は近くに実家があるから」と(あるだけで実際住んでいるわけではない)、家賃を自分は払わなくていいのではと言い出し
- 彼女が、家賃を全額負担する代わりに家の名義は自分にすると言い出すと「そこは男の俺を立てろ」と要求したり(これ、法的にも、家賃負担している人の名義にしてほしいよね…)
- 彼女のほうが収入が多いので生活費を多く出してくれと要求するも、じゃあそっちがもう少し家事をやってと要求されると、彼女を「心が貧しい」と非難したり
- 彼氏の友人夫婦と食事会をして、友人夫婦の子供を彼女に面倒見させるいっぽう自分たちは子供放置で談笑した挙句、子供に向かって怒った彼女を前後関係も確認せず非難したり
- その友人夫婦にそそのかされ彼女を自分で家から追い出した後、彼女がその家の家賃を払っていないとキレて(これホントに頭おかしくないか…)
- ちなみにその家の家具は全部彼女が自腹で購入したものだったが、追い出した後も我が物顔で使い続け、それを持って行った彼女に対して心のなかでこう愚痴る
フツー持ってくか……? 俺が気に入ってたのを知ってて……!!
いやフツーとは?! 気に入ってるからとか知らんでしょ…諒くんのなかで、佐和子=お母さんになってないと出てこない意見ですよね、コレ。
折々佐和子は諒くんに対しキツーイお言葉をお見舞いしてるんですが、なんだかんだで結局復縁しちゃういけないのか、諒くんが異性関係に関する認知能力学習能力だけが著しく欠如するようななにか恐ろしい病気にでもかかっているのか。恐ろしすぎていっそそうだと言ってほしい。
3巻の終わりで無事諒くんと別れた佐和子ですが、諒くんのダメ男ぶりはますます加速しているようで、次巻が楽しみなような怖いようなそんな気持ちです。
最後に、佐和子のこの言葉を、世の家事をしない旦那さんを持つ全ての共働き家庭へ送りたいと思います。
諒くんて何して疲れてんの? もしかして仕事?
もっかい聞いていい? 仕事だけしかしてない人間がいったい何をしてそんなに疲れるの? まさか息?
家事もせず1日8時間眠れる生活でそんなに疲れるって老衰? 死ぬ前?
男は仕事だけしてりゃエラそうにできていいよね―――
なお、その佐和子よりもバラエティに富んだダメ男エピソードを持つ
元ヤンで処女という設定のせいか、やたらと変な男にロックオンされます。
- 既婚者だけど壁ドンで言い寄ってくる男
- デートで割り勘と言いつつ実際には女側の負担を増やしているだけの男
- 女に対し結婚をちらつかせると上から目線に立てると思っている男(多数w)
- むしろ男というだけで女より上だと思い込んでいる男(めっちゃ多数w)
ただ円の場合、勘違いダメ男ばかりではなく、キミの中にかけこみ乗車くんとかドMくんあたりは、もしも同ジャンルの人だったらアリだったのかもしれないなあとは。イヤ私もいやですし、TPOやら相手の性癖やらを考えずにそういうこと一方的に押し付けてくるのがダメな原因のわけですけど。
他のダメ男と違ってただミスマッチなだけで完全にニーズがないわけでもないのかなーとか…いややっぱり無理か。
とりあえず、3巻の結婚いいより男の撃退エピソードは、面倒くさい男を抱えている女子には大変参考になるのではと思います。
せっかくなので最後の一人も。
1巻初めからブレずに王子さまを求め続けている千代ちゃん。主人公3人の中で唯一むしろ女側に原因があるダメ恋エピソードの担い手です。
それに応えようと頑張る八代王子と千代ちゃんのカップルはこのシリーズのなかの一服の清涼剤。
そんな千代ちゃんにアプローチしてくる(千代ちゃん憧れの)ツンデレ当て馬くんもいましたが、そもそもアプローチしてるって結局気づいてもらえないまま終わったw いやわかるw リアルにツンデレとかされてもなんか情緒不安定な人だなあって思うだけだよねw
まあ、メガネについている謎の毛に我に返ってしまったり、強引に連れ込まれた彼氏の家(きゃー!)で丁寧に布団を敷いている後ろ姿に幻滅したり、眠る彼氏から大量に出ている●●●に思わず逃げ帰ってしまったりと、八代くんはこんなに頑張っているのにあまりにかわいそうなんですが、かわいそうながらもなんだかんだで本人たちも楽しそうなのでいいのかなと!
この二人はこのまま結婚エピソードまで是非進んでほしいなあと思います。ほっこり^^
以上、なんか読み返したら佐和子についてめっちゃ語っちゃってますが、本編の構成バランスは 佐和子:円:千代=4:4:2 くらいだと思います。
とにかく読むべし。