ブログ読み返したら私ってなんか食ってるかバカやってるかその両方かの漫画しか読んでないような気がしてきたんですが、いちおう有名どころも読んでます。つうてもあまり熱心じゃないのでこの数巻前で一度中だるみしたんですが、今巻はかなり衝撃的でした。
以下、ものすごいネタバレしてるので未読のかたは読んでからのほうがいいです。前知識ないほうがたぶん気持ちよく読めるはず。
(よんでいないのならまだ間に合う)
というわけで以下怒涛のネタバレ。
いやエレンね……何しに来たのかなとは思っていたんですよね。でも、期待してたんですよ。こんな閉塞的な状況でも、以前やったみたいに、なにかいい方法ですべてを解決してくれるんじゃないかって。暗い過去がありながらも、なんだかんだで平和な世界を求めてがんばってきたわけで。それがまさかの、復讐のミナゴロシ展開。敵は駆逐だぜーヒャッハー。これまで読者目線からは”善”の存在だったエレンが、大義を捨て復讐という私情で人を殺戮しまくる”悪”に落ちた瞬間。
しかも、それが安っぽくないのです。はいはいブチキレ展開ですねキタコレーみたいな感じじゃないんです。わかるんです、すごく。そうしないほうがいいとは思うんだけど、もうそうしちゃうよねって。1巻で、目の前で母親が食われて殺されて、S・K(すべて・くちく)(おおっと)を誓って。その後20巻にわたって努力し、あがき続けてきた末にようやくたどり着いた、救いのない世界の真実。そして、真実を知りながらもなおも力でねじ伏せることを選択した権力者。もうやるよそれしかないよって気持ちになるの、わかりますよ。わかるだけにつらいですよ。そしてわかるだけに、エレンが巨人化したところの爽快感がすさまじかったですよ。それまで延々会話シーンが続いて、諫山先生ってこういうシーンもちゃんと読ませるから(めんどいなと思うとけっこう飛ばすんだ私は…)やっぱすごい漫画家さんなんだよなーと思いながら読んでたんですけど、狭い部屋で向かい合って語り、あるいは狭い井戸に閉じ込められていたシーンからの、あの巨人出現のカタルシスはすごかったです。悲しいシーンのはずなんですが、イヤッハー!!!って叫びそうになりました。さらに、あの懐かしい武器がチラ見えしてからの、エレンが一度ピンチに陥ってからの、あああ、ミカサアアアアアァァァァァ!!!! なんかでかいぶきもってりゅううううううぅぅぅって、ああもうなんだこれ、天才か!! そんでエレンが無表情のままノリノリなのに対し、ミカサは言われたことはきっちりこなしつつもエレンの選択そのものにはまだ止めたい気持ちがにじみでているのがいい。止めたいけれど止めない。エレンの決めたことだから。ああもう天才か!!!(二回目)
なお、私本当にぬるゲーマーならぬぬる読者なので前巻までのエレンの言動とかちゃんと覚えてないんですけど、エレンは、はじめからああするつもりだったのか、演説を聞いてこの選択肢しかないと決めたのかが気になります。どちらにしても、かっとなってやった、ではないのは確実でしょうね。
なんだかすごく遠くへ来たなあという気がします。はじめから遠い世界の話でしたが、エレンが本当に、遠くへ来てしまったんだなあと。悲しいですね。今までなんとなく惰性で読んでいたんですが、久しぶりにかなり続きが気になる巻でした。どうなるのかな。どちらかが滅びるまで決着がつかないとしたらそれは悲しいことだけど、ここから和解の道へと進む未来もいまいち見えない…