これ、読みました

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漫画

ギャラリーフェイク 1〜35巻

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私はこのシリーズを人生で三度全巻購入している。まず新刊で買い揃え、トラブルに遭いそこまでの全巻を失ったのでその後の発売分は新刊、既刊については中古で買い揃えた。そして32巻で完結してからしばらくして紙の本を整理する際に中古書店に売っぱらったものの、やっぱり読みたくなって今回デジタルで全巻買い直した。

というのも、やはり新作の魔力は強い。本来は32巻で完結していたこのシリーズ、その人気を受けてか、ちょいちょいと続刊が出る。そして今回35巻で、シリーズのかなり初期から出ていた●●●●(一応伏せ字…)が、現在全世界で猛威を奮っている新型コロナウィルスに倒れその後継者が奮闘する話を読んで、在りし日の●●●●の姿を偲びたく…というか手っ取り早く全部読み直したくなったわけなのである。

このシリーズは、準レギュラー格の意外な人物があっさり死ぬ展開になる場合があるから油断ならない。ちなみに●●●●の後継者らしき人物が実は既刊にもちょいちょいと出てきて、そこから最新の35巻まで読み進め、ああ、あの時の子がこんなに成長してたんか…という気持ちになれたりする。

唯一時代を感じたのはこの話

今、1巻から読んでもまったく古さを感じさせない。当時も周囲に勧めまくった覚えがあるが、今でもためらいなく勧められる。

そもそも本の新旧は表紙や本文の紙質の劣化やそれに伴う独特の匂いで感じる部分も大きいので、デジタルで買っているとますます古いなど気にならなくなったりする。

だがしかし全巻読み返したあとで、本当に唯一、「ああ、これってそういえば古い漫画だったな」と感じたのがこの話。

まじか! いつのまにそんなことに!!(ただいま2020年12月)

当時の2021年というのは、無責任に夢物語を描いてもいい、遠い未来だったのでしょうね…まさかその時代になってもこのシリーズを描いているとは、作者さんも夢にも思わなかったのでしょう。

ちなみに2021年になってこの1998年を振り返る、という筋立ての話なのですが、実際に描かれたのはたしか1998年ごろのはず。同年に開催されたサッカーワールドカップで、応援ツアーを開催した旅行代理店がチケットを抑えておらず、現地入りはしたものの肝心のチケットがない、と当時世間を賑わせた時事問題を題材にとったもの。当時は随分話題になってた記憶があるが、そういえば消えるなあ、こういう話は…。

ちなみに今となって振り返ってみれば、平成不況のまっただ中、どころか、平成中ずっと不況だったので、平成不況とは言わないだろうと思われる。あえて名前をつけるなら「失われた十年の入り口ごろ」という感じか。

ちなみにこの話けっこう好きなのですが、何が好きって主人公のフジタが出てこないとこ。

いや出てくるのですが、あくまでこの話の主役である別の男の回想のなかにしか出てこない。

かつては青二才だった男が歳を経て、なにごとかを成し遂げたあとに脳裏に閃く、モラトリアムまっただなかだった甘っちょろい自分が変わるきっかけを与えてくれた男(フジタ)の一言……

本当のフジタはもう現役も引退する年頃になっており昔の姿のままではないだろう。けれど、人生の道標となってくれたあの姿は、彼の中で永遠に…

 

…と当時は少ししんみりしたものの、まあ2020年の今もフジタ結局こんな感じですけどね。

変わってない。

時代とともに歩む

ちなみに上記の1コマで話題にされている「アメリカ大統領」は「トランプ大統領」がモデル。

後半ではコロナが話題になり、そういえば、32巻で一時完結した後の復活のきっかけは、思えば東日本大震災だった。津波の被害にあったエリアにフジタが現れ…という話が小学館からチャリティと称して発刊された本用に描き下ろされて、しばらくしてそれが収録された33巻が発売され、その後からまた断続的に新作が出てくるようになったとかそういう経緯だったような。

人気シリーズの登場人物が時代を超えて存在する妖精さんのようになるのはよくあることですが、ル●ンだのコ●ンだのシテ●ハンターと違ってメジャーになりきれないのが残念。以前アニメ化もしましたが、まあたしかにあまりピンとこなかった…(思い入れがあるので余計にそう思う可能性は否定しない)

ともあれ、第三者の手が入らないからこそ、このクオリティと世界観を保ちながら良作として存在し続けてくれているのかもしれず。

今後も、無理のないペースでの新刊発行を粛々とお待ちしております。

いつまでかはわからないけど、期間限定での1巻無料お試し版もあるようす。

最後に

ネタバレしますが

(いつもしてますが)

最後にこれだけ書かせてください。

 

 

 

 

 

 

R.I.P. カルロス。

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