金田一のスピンオフが面白かったのでこっちも買いました。犯罪を犯した犯沢さんがいかにコナンくんの追求を逃れるのかっていう展開かなと思ったら全然違いましたが面白かったです。
ちなみに、コナンくんてもともと、金田一の成功を見た編集部が青山先生に「次は推理物(金田一みたいの)を!」ってオーダーしてできたって聞いたことあるんですけど、なんか全然別の出版元の作品なのにニコイチ感あります、個人的には。
それはそれとして、内容。えー、かっこよく言えば、殺人計画を胸に秘め、田舎から上京した新社会人の犯沢さん(仮名)が、大都会の犯罪都市米花町の恐ろしさに翻弄されながらも一歩また一歩と復讐という目的に近づいていく話。
なお、1巻で成し遂げたことというのは、駅から出られたとか、部屋を借りられたとか、転入の申し込みができたとか、運転免許の書き換えができたとか、シャンプーで髪の毛洗えたとか……こいつ一体いつになったら犯罪行為に手を染めるんだよ。
なんというか、はじめての一人暮らしあるあるネタに、ネットでよく言われるコナンくんの周囲で殺人事件が起こりすぎ問題をプラスした感じです。
さらに、
爆発は春の季語じゃよ。
と、映画ネタも欠かさない。爆発にはじまり特殊建築物の崩壊で完結するのが映画コナンくんのお約束ですものね。
金田一のスピンオフ的な感じを期待して読みはじめたのではじめは肩透かしな感じでしたが、なんとなく繰り返して読んでしまいました。世間知らずで純朴な犯沢さんというキャラを通じて、犯罪多発地帯・米花町の異常さを楽しむ漫画というのが近いかな。
なお、途中途中でチラチラ出てくる本編のキャラ、とくに子供キャラが、妙にしもぶくれ顔なのが絶妙に偽物くさくていい感じです。頭身の高いキャラはまともなので、多分作者さんは本物のつもりで書いてると思われるのがまたいいです。あれじゃコナンくんじゃなくてコナソくんや!