空気を読みすぎて過呼吸で倒れた凪ちゃんが何もかも投げ捨てて楽しく貧乏暮らしする話。さらさらストレートヘアのお嬢さんがいきなりちりちりパーマちゃんに変わったときは本当にびっくりしました…。
過呼吸を起こすまでのところがものすごく「わかるわかる!」感あります。悩みの皮を被った自慢とか、アドバイスのふりをしたマウンティングとか、ありましたよありましたとも。偶然再会した元同僚がまたマウントとってこようとするのに、ズバッと切り返すシーンは強烈に気持ちがよかったです。あの後どうなったのか描かれてないけど、あの同僚さん再登場してきてくれると嬉しいな。マウント取っているのは面倒くさいけど、仕事なり婚活なりなんにしても頑張っている人っていうのはそのまま落ちないでもらいたいものです。
しかし1巻では圧倒的に不器用コミュ障感のあった凪ちゃんだったけど、2巻ではかなりのハイスペックであったことが判明。仕事はなんだかんだできる子なんだろうなーと思っていたんですけど、特に慎二関係な!
1巻だけ読んだ時は、都合のいい女だと思っていたら向こうから振ってきたのでプライドが傷ついたってな超独善的理由で凪を追いかけてきたんだろうなと思っていたんですけど。
凪によく似たキャバクラ嬢のもとに通いつめて凪のこと愚痴って怒られたり。
あっという間に作った凪によく似たさらさらヘアーの新カノの前の用意したデパ地下ご飯を食べながら、
金さえ出せば
色とりどりのうまいもんが食える
だからずっとそうしてきた
でも
俺 あれ食いたい
貧乏くさいけどやたら染みるあの節約メシ
なんて独白したり。(デパ地下だって高いし買うのも面倒なのよ!とは思いつつも)
凪に執着することになったきっかけを思い返すシーンでは
めっちゃ健気
すっげぇ可愛い
なんて!
中身込みでむしろ凪にベタ惚れだったんじゃないですかーやだー。
逆に凪のほうが
ヤりたいだけの男も
肩書きに抱かれたい女も責められない
その証拠に
慎二のどこが好きだったのか
私ひとつも思い出せない
と、慎二を都合のいい男扱いしていたことが判明。
主人公のほうがむしろ純愛じゃないとかとんでもないけど仕方ないね。
大人だもの。
でもそんな自分に自ら気づいて、しかも人にもそれを言ってしまう凪ちゃんには、すごく好感を抱きます。
凪自身はお隣に住むレゲエファッション男のほうに好感を抱いてそうですが、読者目線としては慎二のことを応援してるよ!
慎二、色々空気読むのうまいって設定なのになんで凪に対してだけはダメなんですかね。
本気の恋のお相手には不器用って少女漫画のヒーロー役にありがちなアレですかね。
愛してるって最近言わなくなったのは云々ってあれですかね。
まあ、言えよ!って思うんですけどね。察するの面倒くさいだろ!
ちなみに、慎二の女友達集団から
自分で爪塗ってる人初めて見たー!!
って言われて凪がめっちゃ劣等感抱いてましたけど、ご友人たちの表情とか見ても、むしろ尊敬されていたのでは…?という気も。
しかもその直前でネイル褒められてるわけですし。
凪ちゃんに必要なのはお暇よりも自分への自信じゃなかろうかな。
ちなみにこの主人公とか展開とか、なんかちひろさん↓↓↓
に似てるなあと思います。
凪はちひろさんほど達観していないのが、女性作家だからというか女性向けレーベルだからというか、そのあたりは女性の心情としてよりリアルなのはこちらのほうなんだろうなと思います。
ちひろさん、たしかにこういう感じの女性はいるなあと思うし好きなんですけど、一本スジが通り過ぎていて少し理想化されすぎている感じはあるんですよね。いや漫画としては好きなんですけどね。
表面上は、人から見れば完全に達観しているようであっても、人間の心ってのは複雑なものですから。
まあ、なんだかんだで男性好みのかっこうをしているちひろさんと
んなもんすっぱり投げ捨てちゃった凪ちゃんですし。
でも、実際のところ同じ時間軸にいたらけっこうふたりは気が合いそう。ていうかちひろさんが凪ちゃんのことをめっちゃ好きそうな気がします。
ちひろさんに「ヘルス嬢やってたよ」ってさらりと言われて動揺しまくる凪ちゃんと、それ見てニヤニヤするちひろさんとかね!