大奥、と言っても、よしながふみではないやつです。
1〜5巻とありますが、最近よくある続き物を単話単位で出しているもののようで、全部あわせても単行本1巻分に満たないくらいです。
Kindle Unlimitedに入っていたのでなんとなく読んでみたのですが、いやまあ…なんというか、すごかったです。
あらすじを書くと、武士に家族を惨殺された農民身分出身の主人公が、復讐のためすべての武士の親玉である将軍の謀殺を企み、己の美しさを生かして女装して大奥に入り込む、という話です。
なんかもうツッコミどころいっぱいすぎて逆にツッコミづらいとうか「そうなんだ…が、がんばってね…」みたいな気分になります。
とりあえず、「大奥」と聞いて期待するような、女同士の水面下の火花散る戦いとか、権謀術数蠢き策謀が交差し、裏切りの裏切りのそのまた裏切りとか、そういうのはないです。無です。いちおう、あっこれ策謀かな? みたいなやつはあるのですが、雑というか、雑というか、雑というか、つまり、雑。それ、そうせんでもよかったやろ、というか。
ちなみに主人公が大奥に入り込るためにした最大の努力が「大奥のあらゆる内容を、体に刻みつける(文字通りの意味で)」というもので、ただでさえ怪しまれそうなのに、身体中に傷跡つけるとか、余計に怪しくしてどうすんだよ、と。いちおうその傷があることで外部の協力者との意思疎通がスムーズに、みたいな設定も出てくるんですが、いや、そうせんでもよかったやろ、というか。
また、大奥の邪魔者を次々に片付けていくのですが、必ず、白抜きされたピーーーを見せつけてから殺します。金さんの桜吹雪とか、水戸黄門の印籠みたいなタイミングで出てきます。ですが、いやもうほんとそうせんでもよかったやろ、と…
…………。
5巻の最後で第一部完とあり第二部の予告もあるのですが、どう考えても打ち切られ案件だろうと思われます。
ただ、すみません、こんなに書いといてなんですが、個人的には第二部もすげえ気になってます。意外と嫌いじゃないですこういうの。ていうかどこまでいってしまうのか、行く末を見守りたいのです。怖いものみたさというか。
なお、第二部ではどうやら大奥の奥で数百年眠り続けていたあの存在が復活するそうで…って、なんかもう将軍殺すとか殺さないとかそういう次元の話じゃなくなってるんですが…? そもそも、第二部に向けた煽りが
凄絶の第二部を待て!
ですからね。
大奥ものですよ…?
色々な意味で凄絶なことになりそうだ…。
ちなみに題字はかの故・小池一夫御大の筆によるものだそうです。
ピーを見せつけるのはそのせい…?