めでたく完結。
連載当初はズートピアのパクリという声が多かった気がしますが(私の周囲だけ?)、途中から裏市やら食肉問題やら、さらには海の生物との共生関係やらズートピアとは異なる世界観の確立に成功していたという印象です。
個人的には続刊の発売をいつも楽しみにしていたので、完結したのはめでたくも寂しい気がします。最終巻はなんというか、展開が急というか、めでたしめでたしに向かってまっしぐらな感じが透けて見えるようだったのが少し残念でした。引き伸ばしで駄作になってほしかったわけではないけれど、もう少しゆっくり描いて欲しかった気もします。
人畜無害に見えて、その実吐き気を催す邪悪という感じのメロンのお父さんもいつの間にか行方をくらませていましたし。
ジャックが衝撃を受けていた授業の内容、社会がこうなった経緯、というのも、ふんわりと匂わせてはいるものの、結局なにがそんなに衝撃だったのかよくわからないままなので、なんとなく消化不良でした。
とはいえ、全体として面白いまま終わってくれた、という感じではあります。思うに、少年漫画は主人公が大人になるまでが漫画としての寿命なんでしょうね。レゴシが作品のなかでどんどん成長しハルちゃんとはどうやっても幸せになるだろう、というのはとうに見えていたので、社会全体としての課題解決は曖昧なままでも、BEASTERSという漫画の主人公であるレゴシはすでに大円団を約束されていたとでもいいましょうか。個人の問題と社会の問題の解決がイコールであるのはセカイ系だけで、これまでのこの漫画の流れ通り、無理にそれをつなげることはせず、個人の問題は個人の問題、社会の問題は社会の問題として、漫画としてはここで完結するのが、最良のタイミングだったのかもしれないですね。
ただ、この世界のなかそのものにはまだ描かれ切られていないことがたくさん残っている気がするので、できれば同じ世界観・世界線のなかの続編が読んでみたい気がします。
なにはともあれ、良作のままの完結はめでたいことです。最後の一コマはジーンときました。Congratulation! ありがとう! 面白かったです!!!
本日の22時まで限定で、21巻まで無料で読めるみたいなんですけど。まじかよ!! 祭りかよ!!!