デパートの化粧売り場販売員のゆみみ、デザイン会社のキャリアウーマンのグリッち、そしてコンビニアルバイターのてつ子の、それぞれに残念な感じの乙女が夜な夜なてつ子の家に集まって残念なつまみを肴にお酒を飲む話。
まあ、残念て言っても、手作りの作りたてで上げ膳据え膳な時点で圧倒的勝ち組じゃねえかよって感じですけどね。私もし主人公3人のなかでリアルに友達になれるなら圧倒的にてつ子がいいです。毎晩のように、仕事帰りの友達のために飲む準備やら遊ぶ準備をしておいてくれるとか、おいこの子聖母か。しかも、周囲は明らかにゆみみやグリっちを社会的に格上と見ているのにそれを全然気にせず友達づきあいを続けていられるとか、現代に現れた仏ですか。
しかしまあ読み終わって冷静になってみればてつこ一択なんですが、読んでいる間は、私もグリっちの王子っぷりにやられまくりましたけどね! 古くはベルサイユの薔薇、そしてリボンの騎士。どうして我々は女の貴公子というものにこんなにも惹かれてしまうのだろうか……。
なお、絵のデフォルメが凪のお暇よりきいてるせいもあって、各キャラの方向性がはっきりしてきた中盤からは、なんとなく毒を控えめにした「独身OLのすべて」って印象を受けながら読みました。
タマ子(ワンレン)がグリっちで、ノブ子(象っぽい謎生物)がゆみみ、マユ子(りんご)がてつ子って感じでしょうか。ちなみにノブ子はゆみみと違ってすっごいモテモテって設定。(誰にどうやってモテているのかいまだによくわからないが…)
2巻が最終巻みたいなんですが、最後に主役の女子3人にそれぞれ男子があてがわれているような話が入るのは、お約束なんですかね…グリっちやてつ子はそれまでもフラグが立っていたのでいいんですけど、ゆみみのお相手はちょっと唐突すぎて、そこまで無理にめあわせなくても! と思いました。
ちなみにおつまみやお酒のレシピがついてるんですが、1つ2つ凪のお暇にも出て来たメニューがあって(ハイボールのアイス乗せとか…)、同じ作者さんなんだなあって感じです。油揚げのピザはちょっと作ってみたい。