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漫画

凪のお暇 4〜8巻

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気がついたら8巻まで出ていたんですね。一時期この作品好き過ぎて、作者であるコナリミサトさんの作品をゆっくりコンプしてました。なぜゆっくりかといえば、まとめて読むと、読み切ってしまったときに供給が足りなくて渇き死ぬかもと思い…!

ちなみに1〜2巻の感想はコチラ

3巻の感想はコチラです。

これまでのあらすじ的なことでいうと

当初は周囲の空気を読み過ぎて倒れた善良ないい子の凪ちゃんと、無神経な周囲…という感じでしたが、巻を重ねるごとに凪ちゃん自身も自分の心の奥にあった周囲に対する傲慢さや怠惰さと向き合い、変わっていきます。

凪ちゃんはそんな、自分の性格を汚くて卑しいと嫌悪していますが、自分のそういうところに目を向けられるだけでも十分崇高な精神の持ち主だと思いますけどね…。

そういう凪を認める人、応援する人、あるいは凪に感化され変わっていく人。元カレの慎二にも彼にピッタリな顔も勘もいい彼女ができて、過去とは決着をつけて彼女との新しい人生に目を向けるも時折凪のことを思い出し…いっぽう凪に別れを告げられたゴンも、これまでの相手とは異なる展開に次第に凪を意識しはじめて…?!

そんなわけでいろいろあって7巻では元カレ慎二の支援を受けて凪ちゃんの性格形成の元凶であるお母さんと全面対決。しかし凪の誠実すぎる性格が災いして北海道の実家に強制?送還。8巻では、「根雪」で表現される実家とその周辺の澱んだ人間関係、それに対する凪の柔らかな戦いが描かれていきます。

ちなみにですが、凪の実家周辺の、スクールカーストが一生ついて回るという話は、峰なゆかさんの本思い出しました。

 

すでに最終回の向こう側。あるいは新シリーズ開幕済み。

もちろん相変わらず大変面白いんですが、1巻で凪が直面していた問題はもう解決済みで、解決したその後の話、あるいは、それを乗り越えた人が周囲に影響を与えるという別の漫画を読んでいる感覚に最近は近いかもしれません。

もちろん、凪の母親や祖母との関係性の解決はこれからなんですが、BEASTERSでも似たようなこと書いた気がしますけど、どうやって生きていくべきなのか悩んでいた主人公が「なにがあっても幸せになれる」メンタリティを手に入れたなら、その子が「主人公である」話はもうそこが最終回なのかなあって思うんですよね。

凪から見たら周囲の空気にうまくのっている慎二にも慎二なりの悩みがあり、最強に見えたお母さんにもお母さんなりの過去があり、そして最強キャラに見えたゴンさんにもゴンさんなりの問題があり…と、周囲の人の内面が描かれ、おそらくこの先はそれらの問題に凪が関わったり関わらなかったりしながら変化していくという感じの話になると思うのですが、その時の凪はいわば彼女に救いと変わるきっかけを与えたバーのママなどと同じ立ち位置のキャラであり、凪自身の内面にはもう、解決すべき問題は残されていないのかな、なんて。

なお一時は得体のしれないゆるふわ系だめんずだったゴンさんが、いまやこんなんです。

凪に名前を呼ばれてときめいちゃったけどガチ恋すぎてそれを口にも出せないの図

もちろんその人たちがどういった結論に至り、凪との関係がどうなるのか、というのもめちゃくちゃ気になるので引き続き読みますけども!

 

凪のことで唯一気になるのは、就職

なお老婆心ながら凪のことで唯一気になっているのは、仕事はどうするんだろ? ということです。8巻では実家住まいになっていますが、生活費は母親が稼いでおり、凪はあくまでその母親が怪我をしたので一時的にサポートのために実家に帰ってきている、というスタンス。東京の住まいも解約されていないですし、待っている人も大勢いる。

職業ってある程度その人の社会的立ち位置というか、社会に対するスタンスを表すものでもあるので、凪がどういう仕事を選んでいくのか気になります。

ハローワークでの募集案件では凪の条件では厳しいとのことでしたが、なんだかんだ会社では縁の下の力持ち的にバリバリ仕事をこなしていたことが後ほど判明しましたし。プライベートでの暮らしかたからすると定型的な作業をこなすだけではなく創造性も十分。バーテンダーとして働いていたバーではみんな(とくにママ!)凪の帰りを心待ちにしているのでしょうし。

このままゴンとうまくいくようなら、いっそふたりで組んでカフェとかやると良いかもしれないですね。ちょい悪いそうだけどその実癒し系のマスターゴンと、凪(隠れ巨乳)によりピカピカに磨き上げられた店内にいついってもびっくりできる創作お菓子。施工はうららちゃんのママ、経理や法務はT大卒の坂本さんに頼み、営業面は慎二に協力を仰げば…やっていける気しかしない。ていうかそんなカフェ近所にあったら営業されなくても私が行きたい通いたい。


そう、凪ってさりげなくめっちゃスタイルいいですよね…リリヤがガン見しそう。

 

そういえば「珈琲いかがでしょう」という作品がありまして

コナリミサトさんで凪のお暇の次に好きなのがこの作品なんですが、思えば凪のお暇のプロトタイプみたいな話だなあと思います。

周囲とうまく馴染めない女の子がそれでも認められていくところとか、ちょい反社っぽいメンズがそういうどんくさ系の女の子にふりまわされる感じとか。

ちなみにいいこと言うほっこり系ババアも出てきます(笑)

 このシーンめちゃくちゃ笑った(まさにほっこり浄化させられそうになっていただけにw)

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